top of page
PB010 秋径帰牧
堅山南風
絹本肉筆彩色 骨軸 生ぶ三段本表装 桐共箱
画:1045mm×292mm 軸:1879mm×409mm(軸先含まず)
¥180,000
Nanpu Katayama
1887〜1980
堅山南風は明治20年に熊本市で生まれました。当初は地元画家の福島峰雲に師事し、上京後は高橋広湖門下となりました。苦労を重ねて、第7回文展に出品した「霜月頃」が初入選で最高賞を得、それがきっかけで横山大観の門人となりました。その後は院展に出品し、1924年には日本芸術院同人に推挙されました。戦後は院展と日展に出品を重ね、1958年に伊東深水と共に日本芸術院会員に推挙され、昭和を代表する日本画家として誰もが知る存在となりました。画風は大観の影響を受けた朦朧体を感じさせるものから、現代日本画の特徴を備えた面で構成するものまで様々ですが、そのどれにも苦労を重ねて築き上げた、重厚でありながら優しさを感じさせる作風を感じさせます。この絵は禅の教えである「騎牛帰家」に題を採ったもので、童子が牛を連れて家に帰る風景を描いたものです。紅葉した樹木、岩の表現には師である大観の影響が見られ、初期の作品であることがうかがえます。しかし、大観にはない叙情と、画面から伝わってくる優しさは南風の個性であり、すでに独自の世界観を持って制作していたことがわかります。
bottom of page