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PH76 細雨
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木島桜谷
紙本肉筆水墨淡彩 牙軸 生ぶ三段本表装 桐共箱
画:1309mm×297mm 表装2013mm×427mm (軸先含まず)
¥230,000
Okoku Konoshima.
1877〜1938
木島桜谷は、明治から昭和にかけて活躍した四条派の画家で、的確な描写力と叙情的な空気感で一世を風靡し、「最後の四条派」と称されました。京都三条室町に生まれて、曽祖父も木島元常という狩野派の絵師でした。明治25年(1892)に今尾景年の門人となり、文展1回から6回まで連続受賞し、明治の終わり頃にはすでに、竹内栖鳳と並んで京都画壇を代表する画家になっていました。
この絵は、雨の降る中、漁師が川で網を引いている情景を描いたものです。素早い筆致と簡潔な筆さばきで雨中の空気感や湿気までも的確に表現しています。画面左側の岩上の樹木は量感と質感、雨に濡れて重くなった様子までもが伝わってきます。ほとんどすべてを墨の濃淡で表していますが、ポイントとなる漁師と樹陰に僅かな絵具を使っていて、最小の色彩で最大の効果を上げています。桜谷の類まれな感覚、技量と鋭い観察眼を観ることのできる傑作です。
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